携帯するPS3
- PS Vitaは、現時点の携帯型ゲーム機において最高レベルのCPUとGPUを搭載している。
詳しくは書かないが、本機のスペックをもってすれば、PS3のタイトルを短期間で移植することが可能だという。
本体と同時に24本ものロンチタイトルを用意していることから、いかにPS Vitaが開発しやすい環境であるかは想像できるだろう。 - さらにVitaとPS3は互いに連動し、セーブデータを共有したり、デュアルスクリーンで対戦することもできるようだ。(写真右)
- もっといえば、PS VitaをPS3のコントローラーとして使用したり、PS3のゲームをPS Vitaでリモートプレイすることも可能だ。(対応ソフトのみ)
まさに究極のエンターテインメントが誕生するといえよう。 - また、PSPを動画プレイヤーとして使っていた筆者としては、動画や音楽の対応コーデックがPSPと同じということも見逃せない。
これはPSPで再生できた動画は、PS Vitaでも再生できる可能性が高いということだ。 - では、ざっくりとPS Vitaの仕様について見ていきたいと思う。
- カートリッジ
- PSPと大きく違うのはソフトの媒体がUMDではなく、フラッシュメモリをベースとした専用カートリッジに変更された点である。
- UMDドライブがないため、当然のことながら今までに購入したPSPソフトは使用できない。
現在のところ、ダウンロードしたソフトに限り、PS Vitaでプレイすることが可能だ。 - この件についてSCEは、UMD版の所有者を対象としたサービス「UMD Passport」を2011年12月6日に開始すると発表した。
これによりUMD版の所有者は、ダウンロード版を安く購入することができるという。 - なお、PS Vitaではメモリースティックを使用できないため、PSPのセーブデータをそのまま移行することはできない。
手順としては、まずPCやPS3にセーブデータをコピーし、そのあとにPS Vitaのコンテンツ管理機能を使ってPS Vitaに転送させる。
ただし、PCの場合は別途「コンテンツ管理アシスタント」をPCにインストールする必要がある。 - 充実した機能
- 本体サイズはPSPよりも一回り大きく、画面は有機ELのマルチタッチスクリーンを採用。
本体表と裏にカメラを搭載し、タッチスクリーンのちょうど裏側に背面タッチパッドを装備した。 - タッチスクリーンは5インチの大きさなのでタッチしやすく、背面タッチパッドでは画面をさわらずにタッチできるほか、押し出す、引っ張ることが可能。
さらにタッチスクリーンと背面タッチパッドは連携し、つまむ、挟むといった今までにないアクションを実現している。 - ゲームとしての楽しさはこれだけではない。
- 新たにジャイロセンサーと加速度センサーが加わり、本体を上下左右に動かしてプレイすることが可能になった。
- そして右アナログスティックが追加されたことで、ゲームパッドの操作感覚に近いものとなり、モンハンなどのアクションゲームには嬉しい仕様といえる。
- しかし、以前よりも画面が大きくなるということは、それだけ映像も荒くなるのではないか?
- この点についてはまったく問題ない。
画面の解像度はPSPの4倍(960x544)という高画質ぶり。
小さい文字もくっきりと表示でき、有機ELディスプレイの性能を余すことなく引き出している。 - 有機ELとは、通常の液晶に比べてハイコントラスト、省エネ、極薄、視野角に優れており、応答速度も早いという次世代のディスプレイ。
- まとめ
- ハイスペックなゲーム、ハイクオリティな動画、場所を選ばないインターネット、そしてソーシャルネットワークがもたらす新たな可能性。
それらを1台に集約したのがPS Vitaである。 - 高性能なスマートフォンの登場以来、押され気味の携帯型ゲーム機だが、ここにきてSONYの本気を感じずにはいられない。
はたしてPS Vitaはゲーム業界の救世主となるか?
今後の動向に注目したい。